中央⽇本⼟地建物グループのR&D拠点「NAKANIWA」は、森林をイメージしたユニークなワークプレイスであり、オフィスの付加価値を高める空間づくりの実験の場でもあります。このNAKANIWAにて、中央日本土地建物グループの担当者が企画する、社員のサステナビリティ意識やワークエンゲージメント向上などを目的としたワークショップイベントが、定期的に開催されています。今回は、ドライフラワーを活用したワークショップイベントを取材してきました。
NAKANIWA:虎ノ門の森で新しいワークプレイスを体験
NAKANIWA は、中央⽇本⼟地建物グループが⽬指す「新しいワークプレイス」および「オフィスの付加価値向上に資する空間」を開発するためのR&D拠点です。
2023年10月のオープン以来、特に「インフォーマルな空間で⽣まれる付加価値」に着⽬し、社員が実際にワークプレイスなどとして利用する中で、居⼼地の良さやそこから誘発されるコミュニケーション・創造性・⽣産性・エンゲージメント向上などの可能性を検証しています。
また、山梨県⼭中湖村にある中央⽇本⼟地建物グループ保有林の間伐材を⽤いた内装づくりや、保有林の植生をイメージした植栽計画を通して、利⽤者が森林や⾃然とつながるきっかけづくり、環境配慮やサステナビリティに対する意識醸成、そこから⽣まれる交流発展を図っています。
イベントで使われた花材をNAKANIWAでアップサイクル
2024年6月、NAKANIWAではランチタイムを利用してイベントが行われました。NAKANIWAの空間デザインを手掛けたparkERsの皆さんを講師に迎え、ドライフラワーを使ったボトルを作るワークショップが開催されました。
実は、この日使うドライフラワーは5月に開催された展示会「SusHi Tech Tokyo 2024」で、中央日本土地建物グループのブースで使われた花材を再利用したものです。通常、展示会で使った植物はほとんどが破棄されてしまいますが、今回のNAKANIWAのイベントではアップサイクルされることになったのです。

まずは、講師がドライフラワーの基本をレクチャー。数ある花の中でも、南半球原産のネイティブフラワー(ワイルドフラワー)と呼ばれる花々は、特にドライフラワーに向いているのだそうで、この日は花弁の形がユニークなカンガルーポーのドライフラワーが用意されていました。
また、生花をドライフラワーにするタイミングは「茶色く変色し始める前、花本来の色が残っているうちに」なのだそうです。
参加者からの「あじさいの押し花が茶色になってしまった」という質問に対しては、「あじさいは比較的難しい花。ティッシュで挟んで重しをかけるといいかも」というアドバイスがありました。
ドライフラワーに関するレクチャーのあとは、参加者が思いのままにボトルに入れる花を選ぶ時間に。講師の皆さんが、「正解や決まりはありません。ご自身の好きな花を入れてみて」と自由な発想を促します。

さっきまでテーブルで食べていたお菓子のナッツをボトルに入れたり、NAKANIWAで使われている保有林のウッドチップを拾ってボトルに入れたり……用意された花材の枠を飛び越えて、自由な発想が広がっていきます。
また、ドライボトルの飾りとして用意された、ハンマーで活字を打ち付けて刻印するプレートも大人気。ワークショップのあいだ中、NAKANIWAにはずっとトントン、カンカンと槌音が響いていました。

NAKANIWAで使用されているオリジナルのアロマや、parkERsオリジナルのアロマを、ペーパータグにしみ込ませて、香りも楽しめるボトルにします。

参加者からは「陶芸体験で土をいじること自体が楽しいように、花やボトル、飾るためのアイテムなどに触れながらいじっていく時間が楽しかった」「家で飾った時に、鳥が寄ってきてくれたらいいなと思って、木の実を多めに入れました」「今日は昔の同僚と会うのでNAKANIWAの香りをつけたボトルをプレゼントします」など、ドライボトル作りを楽しんだ様子が聞こえてきました。
花材のアップサイクルをきっかけに、五感への刺激もより幅広く
今回イベントを企画した中央日本土地建物 プロジェクト開発部の三木さんに、イベントのきっかけとなった「SusHi Tech Tokyo 2024」出展の様子を伺いました。
「SusHi Tech Tokyo 2024では私たちが考える次世代型ワークプレイスを体感できる空間を再現するため、多くの植生や切り株、ウッドチップなどを配置しNAKANIWAらしい展示ブースを作りました。他の展示ブースと一線を画す、自然の中にいると感じられる雰囲気が好評で、多くの方にお立ち寄りいただき、五感を刺激する空間づくりや、環境や社会に配慮したまちづくりに共感し、理解を深めていただけたと思います」

(実際の「SusHi Tech Tokyo 2024」でのブースの様子)
「SusHi Techの展示ブースに使用した花材をドライフラワーにしてNAKANIWAのワークショップイベントに活かす」というアイデアにもこだわりがあったそう。
「SusHi TechはSustainable Hi-city Techの略ですから、展示ブースもサステナブルな取り組みで作っていこうと。その中で、展示ブースはイベントが終わると解体されて廃棄されることが多く、それはサステナブルではないよね……という気づきがありました。議論を重ねるうち、NAKANIWAの設備をそのまま展示ブースに使用したり、花材をドライフラワーにしてワークショップで再利用するアイデアが生まれました。」
また、事業統括部イノベーション開発室の松井さんに今回のイベント後の感想を伺いました。
「今日のワークショップを見ていると、花を彩り良く飾ることに加えて、香りを加える手順もあり、ボトルに詰める繊細な手作業があったかと思えば、ハンマーでトントン叩いて飾りを作る作業もあって。五感を刺激するバリエーションがより広がったと感じましたね」

まとめ
花材のアップサイクルという、NAKANIWAらしい取り組みにもつながった今回のワークショップ。小さなボトルの中の空間に無心で集中する人もいれば、みんなでおしゃべりを楽しみながら仕上げていく人もいて、作り方だけでなくNAKANIWAでの過ごし方にも自由さが感じられたひとときでした。