NAKANIWA ワークショップイベント「オリジナルアロマとドライポプリづくり」レポート

NAKANIWA ワークショップイベント「オリジナルアロマとドライポプリづくり」レポート

中央⽇本⼟地建物グループのR&D拠点「NAKANIWA」は、森林をイメージしたユニークなワークプレイスであり、オフィスの付加価値を高める空間づくりの実験の場でもあります。このNAKANIWAにて、中央日本土地建物グループの担当者が企画する、社員のサステナビリティ意識やワークエンゲージメント向上などを目的としたワークショップイベントが、定期的に開催されています。今回は、オリジナルアロマを滴下して楽しむことをテーマにした「花のドライポプリづくり」のワークショップイベントを取材してきました。

 

虎ノ門の森ではたらく「NAKANIWA」

NAKANIWA は、中央⽇本⼟地建物グループが⽬指す「新しいワークプレイス」および「オフィスの付加価値向上に資する空間」を開発するためのR&D拠点です。
2023年10月のオープン以来、特に「インフォーマルな空間で⽣まれる付加価値」に着⽬し、社員が実際にワークプレイスなどとして利用するなかで、居⼼地の良さやそこから誘発されるコミュニケーション・創造性・⽣産性・エンゲージメント向上などの可能性を検証しています。また、山梨県⼭中湖村にある中央⽇本⼟地建物グループ保有林の間伐材を⽤いた内装づくりや、保有林の植生をイメージした植栽計画を通して、利⽤者が森林や⾃然とつながるきっかけづくり、環境配慮やサステナビリティに対する意識醸成、そこから⽣まれる交流発展を図っています。

また、竹中工務店との協業による「GISTA検証」も行われ、主にアロマを嗅いだタイミングでの「心と身体の影響」が期待されるイベントとなりました。
※「GISTA検証」
建物内にいる利用者の生体情報をデータ化し、空間の評価を数値化するシステム。このイベント中もNAKANIWAと本社におけるリラックス度合いの差を測る実証が行われました。

自分だけのこだわりに胸が躍るワークショップを開催

2025年2月、お昼どきのNAKANIWAには、色とりどりの花が並んでいました。今回のワークショップはアロマ調合を楽しめる「花のドライポプリづくり」。今まで開催したワークショップのなかでも自由度の高いものとなり、皆さんも期待をもって参加される様子が伺えます。

初めに、今回講師を務める竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部の小島さんから「人間が本能的に自然を求める性質をあらわす概念を『バイオフィリア』といい、建築において重要なキーワード」であることが伝えられました。
さらに、今回のワークショップはGISTA検証において多種多様なアロマに触れていく過程で、精神的な変化を探る目的があること、そしてなによりも、仕事のなかに「バイオフィリア」の観点を取り入れるきっかけを作ってほしいとの要望も語られました。

竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部の小島さん

参加者たちが初めに行ったのは、ドライポプリに詰める花の選定。10種類を超えるラインナップのなかから何をチョイスしていくかは、すべて本人の感性に委ねられます。

ドライポプリに詰める花の選定

直感で決める人から、何度も花のもとに訪れて熟考する人など、さまざまな様子がうかがえました。

参加者に花を選んだ理由を尋ねてみると「昔から好きな寒色系を主体にして選んでいたら、ナチュラルな彩りになりました」「自分が思う”かわいい”をすべて詰め込んだ結果、明るい色ばかりになりました」など、自分の好みを素直に反映させている方が多かったようです。

10種類を超えるラインナップ

続いては、選んだ花を瓶に詰めていく工程。小島さんいわく、初めは手を使って花を詰め、細かい調整をピンセットで行うと、スムーズに形が整うとのこと。また、瓶を四方から眺めて全体を見る意識が大切、とレクチャーされると、参加者たちも納得の様子で実践していました。

選んだ花を瓶に詰めていく工程

花を瓶に詰めたら、次は詰めた花に匂いをつけるためのアロマを調合。18種類のなかから自分だけの組み合わせを発見できるようミックスしていきます。

18種類のアロマ

花のチョイス同様、どのアロマをどの分量で調合するかは自由なので、手探りで調合を始める参加者たち。それぞれのアロマがもつ効能や匂いなどを加味しながら、独自のレシピが考案されていきました。

手探りで調合を始める参加者たち

「とにかくすべて嗅いでみたうえで、花の色味に合いそうなローズ系を加えました。ただ少しくどくなったので、ミントも入れたら理想の香りになり満足です」と、皆さん試行錯誤の結果、納得の調合ができたようです。

調合したアロマを花が入った瓶に数滴落とし、フタをしっかりと締め、お好みでリボンを瓶に巻いたら、オリジナルのドライポプリの完成です。それぞれが自分なりのこだわりがあると気づいたところで、本イベントは無事終了しました。

オリジナルのドライポプリ

ワークショップ終了後も、どのアロマを調合したのか聞き合ったり、もっと良い香りになる組み合わせを分析し合ったりと、参加者同士の自然なコミュニケーションが生まれているところが印象的でした。「高級そうな香りがする」「クセが強いね」などの会話が各所で聞こえ、会場全体が花のように明るい笑顔で溢れていました。

参加者同士のコミュニケーション

参加者からは「私の好きだと思った匂いを掛け合わせたら、幸せを感じるほど自分好みの花ポプリが完成しました」「リラックス効果のあるアロマを調合したので、仕事の合間に嗅ぐのが楽しみです」など、日常使いを楽しみにしている声が聞こえました。

集中と緩和のバランスが絶妙なイベントに手応え

今回イベントを主催した中央日本土地建物 設計・技術部の関根さん、竹中工務店の技術研究所 社会価値創造研究部の小島さん、髙橋さんの3名に、ワークショップを終えた感想を伺いました。

「メリハリのついたイベントができたと思います。花の選定や調合では集中力を高め、自席では周囲と笑顔でコミュニケーションを取るなど、バランスの良い状態が見受けられました。大人になると褒められることが減るので、今回のようなお互いを称賛し合える機会は必要だと感じています」(竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部 小島さん)

竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部 小島さん

「参加者の制作過程を都度確認し、良いところを見つけたら他の参加者にも発信していく講師スタイルを実践し、とても良い感触を得ました。参加者同士のコミュニケーションのきっかけになるよう働きかけができる今回のようなイベントは、NAKANIWAの趣旨にぴったりだと感じました。これからのワークショップを考えていくうえで、ヒントになると思います」(竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部 髙橋さん)

竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部 髙橋さん

「意外にも、これまでアロマを使ったワークショップを行っていないことに気づき、GISTA検証と合わせて本イベントを開催しました。自らの頭で考え、手も動かしていく今回のプログラムは、NAKANIWAに新しい風を吹き込んだかもしれません。リラックス用のアイテムとして活用してもらうなどの副次的効果にも期待しています」(中央日本土地建物 設計・技術部 関根さん)

中央日本土地建物 設計・技術部 関根さん

まとめ

ドライポプリを会社の自席に置くことで、その香りなどをきっかけとして、ワークショップに参加しなかった社員とのコミュニケーションが生まれる効果にも期待ができそうです。NAKANIWAが目指す空間づくりは、これからも開催される多彩なイベントとともに続いていきます。

NAKANIWA

ライター:NAKANIWA

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