中央⽇本⼟地建物グループのR&D拠点「NAKANIWA」は、保有林の森をイメージした緑豊かで気持ちの切替えを促すインフォーマルワークプレイスであり、オフィスの付加価値を高める空間づくりの実験の場でもあります。このNAKANIWAにて、中央日本土地建物グループの担当者が企画する、社員のサステナビリティ意識向上に向けたワークショップイベントが、定期的に開催されています。今回は、森とのつながりを感じられるワークショップイベントを取材してきました。
虎ノ門の森ではたらく 「NAKANIWA」
NAKANIWA は、中央⽇本⼟地建物グループが⽬指す「新しいワークプレイス」および「オフィスの付加価値向上に資する空間」を開発するためのR&D 拠点です。
2023年10月のオープン以来、特に「インフォーマルな空間で⽣まれる付加価値」に着⽬し、社員が実際にワークプレイスなどとして利用する中で、居⼼地の良さやそこから誘発されるコミュニケーション・創造性・⽣産性・エンゲージメント向上などの可能性を検証しています。
また、山梨県⼭中湖村にある中央⽇本⼟地建物グループ保有林の間伐材を⽤いた内装づくりや、森をイメージした植栽計画を通して、利⽤者が森や⾃然とつながるきっかけづくり、環境配慮やサステナビリティに対する意識醸成、そこから⽣まれる交流発展を図っています。
身近な植物「和ハーブ」を学び、味わう
2024年1月、ランチタイムのNAKANIWAでイベントが行われました。NAKANIWAの空間デザインを手がけたparkERs(パーカーズ)企画のもと、一般社団法人 和ハーブ協会 副理事長の平川美鶴さんを講師に迎え、古くから人々の健康や生活を支えてきた有用植物である「和ハーブ」をお茶として味わうワークショップです。
キッチンエリアのカウンター前にテーブル席が設けられた今回は、初回のワークショップイベントよりもさらに幅広い年代の参加者が集まり、男性のみのテーブルもちらほら。
まずは、平川さんが和ハーブについて「足元の草にも一つひとつ名前があり、先人が暮らしの中で大事に使ってきた植物なのです」と解説します。香りが強い植物は魔を除けると信じられ、私たちのよく知っている「しょうぶ湯」などの慣習につながっているといいます。

時には和ハーブの香りも確かめながらの解説がひと段落したところで、“日本人に親しまれてきた香り”とも言われる「クロモジ」のお茶を味わってみることに。会場には、ほんのりと上品な爽やかさをたたえた香りが広がります。

こうしてお茶を楽しんでいる間にも、参加者からは「ワサビも和ハーブですか?」「キンカンは実だけでなく葉も和ハーブ?」といった質問が。ちなみに、どちらも和ハーブとして活用できるそうで、さらに「ショウガや山椒、シソも和ハーブなんですよ」とのこと。
和ハーブに関するさまざまな知識を教わった参加者はいよいよオリジナルの和ハーブティ作りに挑戦です。みかんの祖先であるタチバナ、ショウガの仲間だというゲットウなど、さまざまな種類の和ハーブをクロモジ茶にブレンドしていきます。 ブレンドする植物を慎重に選ぶ参加者へ、平川さんは「混ぜたらダメなものはないんです」とそっと背中を押します。確かにもとは森の中で共に生きていた植物たち。調和した味になるのもうなずけます。

平川さんのアドバイスも受けながら、テーブルごとにオリジナルの和ハーブティが完成!参加者に聞いてみると、強めの香りや味をもつ和ハーブも「ブレンドすることでむしろ味はスッキリ、香りもやわらかくなった」と、自然の妙を感じたようです。「思ったよりも味わい深いので驚いた」「身近にある植物でハーブティを作れると知ってびっくりした」など、植物の力にハッとさせられた参加者も多かったようです。
和ハーブの香りに癒され、イベント後は「いい香りの中、大変リラックスできた」「リフレッシュできた」「新しいことを学べた」と、心なしか表情も柔らかくなって会場を後にしていくみなさん。ドリンクコーナーからは「ここに何種類かの和ハーブを置いて、自分でブレンドしながらお茶を飲めるといいのでは?」という楽しそうな会話も聞こえ、心地いいひとときを過ごした様子があちこちから伝わってきました。

視覚、嗅覚、そして味覚……植物のいろいろな楽しみ方を知ってもらえた
今回イベントを主催した中央日本土地建物 設計・技術部の関根さん、実際にイベントに参加した中央日本土地建物の松本さん、そして講師を務めてくださった平川さん、parkERsのプランツコーディネーター 堀部さんにお話を伺いました。
「今回parkERsさんに『ワークショップのテーマを季節に合う題材にしたい』とご相談したところ、『年末年始に食べ過ぎたり、生活リズムも乱れたりしたところから、心身を仕事モードに戻すきっかけをこのイベントでつくる』というご提案をいただきました。参加者も『うちの庭にある植物も和ハーブかな?』と身近なところから関心を深めているようで、植生に対する興味も深める機会を提供できたため、開催してよかったなと。今後も幅広い世代や部署の社員が参加できるイベントを通して、環境や社会に対する意識醸成を促進していきたいと考えています。」(設計・技術部 関根さん)
「実は、植物の『香り』や『味』に注目する経験自体が初めてでした。クロモジの香りのよさが気に入って、家に置きたいと思いました。こんなふうに、花や緑を眺めて楽しむ以外にも生活への取り入れ方をもっと知れたら、さらに身近に感じられそうですよね」(参加者 松本さん)

「和ハーブティという形で『食・味覚と身近な植物をつなげる』内容にしたことで、さまざまな参加者に植物の楽しみ方を知ってもらい、新たな発見につながったことはすごくうれしいです。
今回メインで味わった『クロモジ茶』は、年末年始に食べ過ぎた後のように、ちょっと胃腸の調子が落ちている方にはとてもいいお茶ですよ。ストレスフルなお仕事をなさっている方にもぴったりなので、この記事を読んだ方もぜひ試してみてください」(平川さん)
「和ハーブの香りや味を楽しむのはもちろん、お茶を『混ぜる』『注ぐ』という手順ひとつとっても、この場で出会った若手とベテランの参加者が自然にコミュニケーションをとっていたのが印象的でした。他のテーブルで淹れたお茶を見せてもらって、『ちょっと色が違うね、どう配合が違うのかな?』とか、そういう楽しさを感じていただけているのが伝わってきました」(堀部さん)

まとめ
お茶を飲むだけでなく、自分でブレンドして、どんなお茶になるのかわくわくしながら待ったり、ハーブが生み出す色を愛でたり、香りを楽しみ、じっくりと味わったり。そんな時間の過ごし方が似合うのも、NAKANIWAの魅力のひとつ。次はどのようなイベントが開催されるのか、楽しみです。