NAKANIWA ワークショップイベント「オリジナル一輪挿しを作ろう」レポート

NAKANIWA ワークショップイベント「オリジナル一輪挿しを作ろう」レポート

中央⽇本⼟地建物グループのR&D拠点「NAKANIWA」は、森林をイメージしたユニークなワークプレイスであり、オフィスの付加価値を高める空間づくりの実験の場でもあります。このNAKANIWAでは、中央日本土地建物グループの担当者が企画する、社員のサステナビリティ意識やワークエンゲージメント向上などを目的としたワークショップイベントが、定期的に開催されています。今回は、役目を終えたNAKANIWAのシンボルツリーを利用したワークショップイベントを取材してきました。

虎ノ門の森ではたらく「NAKANIWA」

NAKANIWA は、中央⽇本⼟地建物グループが⽬指す「新しいワークプレイス」および「オフィスの付加価値向上に資する空間」を開発するためのR&D 拠点です。
2023年10月のオープン以来、特に「インフォーマルな空間で⽣まれる付加価値」に着⽬し、社員が実際にワークプレイスなどとして利用する中で、居⼼地の良さやそこから誘発されるコミュニケーション・創造性・⽣産性・エンゲージメント向上などの可能性を検証しています。また、山梨県⼭中湖村にある中央⽇本⼟地建物グループ保有林の間伐材を⽤いた内装づくりや、森をイメージした植栽計画を通じて、利⽤者が森や⾃然とつながるきっかけづくり、環境配慮やサステナビリティに対する意識醸成、そこから⽣まれる交流発展を図っています。

役目を終えたNAKANIWAの初代シンボルツリーを一輪挿しの土台にリユース

2025年9月、NAKANIWAではランチタイムを活用したイベントが行われました。NAKANIWAの空間デザインを手掛けたparkERsさんを講師に迎え、役目を終えたNAKANIWAの初代シンボルツリーを素材に一輪挿しを作るワークショップです。

参加者は開始前から、シンボルツリーを切り分けた木材や保有林の松ぼっくり、栗の実などを集めたテーブルを囲んで素材を選んでいました。都心のオフィスで自然に触れる機会は少なく、木の肌に触れるだけでも新鮮な気持ちになれそうです。

NAKANIWAの初代シンボルツリーを素材に一輪挿しを作るワークショップが開催

テーブルにつくと、parkERsさんが今日の素材について教えてくださいました。参加者が選んだ素材は、NAKANIWAの中心に植えられていたシェフレラ、つまりこの場所を見守ってきた初代シンボルツリーの一部であること、シンボルツリーはこの5月に役目を終え、植え替えられたこと。そして今日のワークショップは、森の「植える→育てる→使う→植える」というサイクルに沿って、 “使う”を実践するものであること。
「命の循環を感じながら作っていきましょう」という講師のひとことで、改めて森のサイクルを意識した参加者も多かったのではないでしょうか。

続いて、一輪挿しに飾るために用意されたお花についても教わります。今日選ばれたのは、畑の脇などに自生していることも多い、身近なお花が中心だそう。

煎じ薬にされることもある「ミシマサイコ」に、変わらぬ愛の花言葉を持つ「センニチコウ」、アネモネの仲間「シュウメイギク」、変化、感謝などの花言葉を持つ「ワレモコウ」と、野山で見かけたことのあるような素朴な花々が並びます。

素材について教えてくださったparkERsさん

素材について学んだあとは、いよいよ一輪挿し作り。木材のささくれやトゲを取るためにやすりをかけていきます。あちこちから聞こえてくるやすりがけの音は、「シャリシャリ」「ザリザリ」となんだか虫の声のようにも感じました。

木材の下準備が済んだら、試験管型の花器とワイヤーを組み合わせながら一輪挿しのデザインを決め、木材にワイヤーを立てるための穴を空けて接着剤でワイヤーの端を固定します。

ワイヤーで花器をくるくる巻く人、ゆるく巻いてこなれた雰囲気を出す人、あえてワイヤーを真っすぐに伸ばす人、木材を2つ使って“二階建て”にする人……シンプルな造りなだけに、どの作品にも作り手の個性がさまざまに表れていました。

想像力を働かせながら一輪挿しを作り上げていく

自分の思うままに、想像力を働かせながら一輪挿しを作り上げていくみなさん。時には他のテーブルの作品を見て、「そのワイヤーの巻き方、おしゃれだね」「お花の挿し方にセンスがある」と参加者同士での交流も盛んに。早めに作品を作り終えた方も、いろいろなテーブルを見て回ってから「そのやり方、ちょっと真似していい?」とアイデアを得ている様子も見られました。

最後にお花のお手入れ方法と持ち帰り方を教わって、ワークショップは終了。ワイヤーの動きでゆらゆらと揺れる花器に、参加者もとても癒されていたようです。

この一輪挿しでお花を飾るたびに、NAKANIWAや初代シンボルツリー、保有林のことを思い出している様子も目に浮かびました。

参加者同士での交流も盛んに

シンボルツリーの一輪挿しを使っていくことで、命をつなげていく

今回空間デザインと講師を担当してくださったparkERsの高木さん、小菅さんに、イベントを企画した背景や開催後の感想を伺いました。

parkERsの高木さん、小菅さん

「初代シンボルツリーは単に“枯れたから植え替えた”というよりも、寄せ植えの他の植物、いわば次の世代に自分の水や栄養を分け与え、まさに“役目を終えて交代した”んです。そんなシンボルツリーを何らかの形で残して使っていけないかと中央日本土地建物様から相談があり、今回の企画が生まれました。みなさんの楽しみながらも一生懸命に取り組んでいる表情から、こうして命をつなげていくということを意識してくださっているのかなと感じ取れましたし、私たちも刺激を受けられたワークショップでしたね」(parkERs 小菅さん)

「ただの木材ではなく“身近で生きていた木だ”と知ることで、みなさんにもシンボルツリーについて興味を持ってもらえるきっかけになったのかなと。前々から『実際に保有林へ行って、参加者自身で素材を集めるようなイベントをやりたい』という話も出ていまして、素材の生きていた環境を知るという意味では、通じるものを感じました」(parkERs 高木さん)

「NAKANIWAは、空間づくりを通じて“自然とのつながり”を感じられる場であると同時に、当社が取り組む木材活用や環境配慮の姿勢を体現する場所でもあります。今回のワークショップでは、『木を植え、育て、収穫し、活用する』という“森林サイクル“の考え方を共有し、役目を終えたシンボルツリーをリユースすることで、 “命をつなぐ”循環の一部を実践する機会となりました。今後もこうしたワークショップを重ねることで、参加者が自然との共生を意識する一歩になればと願っています。(中央日本土地建物㈱ 小宮さん)

まとめ

シンボルツリーはもちろん、心癒される自然のひとつひとつに命があり、ここに至るまでの道のりがあった。リユースはその命をこの先までつなげていくこと……このワークショップで考えたことをきっかけに、参加者もこれからさまざまな場面で“命をつなげる”選択をしてくれるのではと、ほのかな希望を感じられたひとときでした。

NAKANIWA

ライター:NAKANIWA

執筆者